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秋夕
  今回は朝鮮の最大の名節(ミョンジョル=毎年一定の日に民間風俗として楽しんできた日。正月、端午節、秋夕など)である秋夕(チュソク)に関するお話です。
  秋夕は新羅時代(1世紀初・中葉〜935年)名節として定められ、代々伝えられて来ました。旧暦の8月15日にあたって、中国や日本では中秋とも言います。 その理由については、1849年に書かれた「東国歳時記」には、「新穀が既に実り、全ての秋収(秋の収穫)が遠くないからである」と説明されています。 つまり、穀物や果実を収穫する秋夕の季節は、人々にとって最も大切で喜ばしい時期だというわけです。
  さて、秋夕の日には新しい衣服に着替えて、茶礼(命日以外の祭祀)を行います。 収穫した新米で餅や酒を造り、栗・柿など採れたての果実を祖先の霊前に供えて祭祀を行い、朝食をすませたら家族全員で祖先の墓参りをします。
  この日は故郷を離れていた家族達も戻り、茶礼に参加します。また、祖先の墓の遠近にかかわらず、年長者を先頭にして祖先の美談を聞きながら列をなして墓に向かいます。 地方に住む家族がわざわざ家に戻ってくるのも墓参りの為で、祖先の恩恵を忘れないためのものです。
  朝鮮半島の各地では、秋夕独特の様々な行事が行われてきました。 美しく着飾った女性達が数十人ずつ集まって、互いに手をつなぎあって丸い円を描きながら跳ね回るカンガンスウォルレもその内のひとつ。 これは全羅南道南部沿岸地方の女性独特の遊びで、男性は全く関わることが出来ないそうです。
  カンガンスウォルレは漢字で「強羌水越来」と書きます。強敵が海を渡って攻めてきたという意味。 その昔、豊臣秀吉が朝鮮に侵攻した壬辰倭乱の際、朝鮮の名将、李舜臣将軍は全羅道近海で日本軍を打ち破りました。 その時、朝鮮水軍の士気を鼓舞するために行った行事が、その後この地方に伝承されて来たわけです。
  主婦は主婦同士、嫁入り前の娘は娘同士で遊びます。歌のうまい人が円の中央、 もしくは一番前に立って音頭をとり、他の人たちはそれに合わせて「カンガンスウォルレ」と斉唱しながら踊るのよ。 始めは緩やかですが、だんだんとアップテンポになってきて、最後の頃には激しく飛び跳ねるようになります。
  在日同胞の中でもこの秋夕には祭祀を行う家が多いのではないでしょうか。 民族の伝統だから、是非続けていってもらいたいものです。
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