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在日朝鮮留学生同盟中央本部
在日同胞
 
「三・一人民蜂起八八周年記念、在日本朝鮮人中央集会」アピール文(2007.3)

 日本のみなさん!
 わたしたちは、日本政府の度重なる「制裁」措置によって在日朝鮮人の人権と生活を脅かす様々な事態が発生していることと関連して、三月三日、日比谷大音楽堂において「三・一人民蜂起八八周年記念、在日本朝鮮人中央集会」を開催するとともに、神戸における近畿集会をはじめ全国各地でも同様の集会を開きました。
周知のように、朝鮮民主主義人民共和国に対する「制裁」措置が取られた昨年七月から七ヶ月の間に在日朝鮮人を取り巻く状況は急激に悪化し、人権と生活が脅かされる深刻な事態が生じております。
 もっとも心を痛めることは朝鮮学校に通ういたいけな児童、生徒への脅迫、暴言、暴行事件が相次いでいることです。
 学校の窓ガラスが割られ、校門にペンキが塗られるなどのいやがらせが横行し、登下校時には「朝鮮人帰れ」などの差別的暴言が浴びせられるだけではなく、こづかれ、頬を打たれるなどの暴行事件も頻発しており、恐怖にかられた児童、生徒が登下校時に本名さえ呼び合えない異常な状況がつくられています。
 また、在日朝鮮人が経営する企業や店舗などへのいやがらせや営業妨害が行なわれ、多くの朝鮮商工業者が業界からの締め出しと融資差別に苦しむ事態に至っております。また、朝鮮人であるとの理由だけで就職を断られ、アパートの入居を拒まれる事例なども増えており、在日朝鮮人の生活が著しく脅かされております。
 日本政府が「北朝鮮への制裁」の象徴として取った「マンギョンボン92」号の入港禁止措置によって、朝鮮学校生徒の修学旅行に深刻な障害が生じているばかりか、この船を祖国訪問の主要な渡航手段にしていたお年寄りや病弱者、身体障害者など多くの同胞が肉親との再会の道を断たれ、冠婚葬祭への参加を断念せざるを得ない状況になっております。
また、法務省による出入国管理局への通達により、朝鮮の「政府職員」とみなされた朝鮮総聯役員の再入国は禁止され、多くの在日朝鮮人の再入国が規制されており、自分の祖国への訪問にもかかわらず申請時には「渡航自粛」のシールが貼られ、出入国時には過剰な荷物検査や執拗な質問などの威圧を受けています。
 さらに、総務省による自治体への度重なる圧力の結果、長い間その公益性が認められ減免されてきた朝鮮総聯関連施設に対し、各地の自治体が固定資産税減免取消などの措置を取るケースが増えています。
 安倍政権発足後、警察当局による朝鮮総聯への常軌を逸した強制捜索が集中的に行われております。警察当局は「別件捜査」、「別件逮捕」などの不当な手法で、無関係の朝鮮総聯や朝鮮商工会の事務所、ひいては幼い子供たちが学ぶ朝鮮学校にまで、数百人の警察機動隊を動員して強制捜索を行なっています。昨年十一月から今年の二月中旬までのわずか三ヶ月間に、東京、兵庫、滋賀、北海道で朝鮮総聯本部と支部、商工会および朝鮮学校など十四箇所と在日同胞に関連する三十九箇所が強制捜索されました。
日本当局、とりわけ「不偏不党かつ公平中立」(警察法第3条)であるべき警察権力が「北朝鮮への圧力を担うのが警察」(昨年十一月三十日、警察庁長官)と公言しながら、朝鮮総聯と在日朝鮮人を抑圧、迫害することは、不当極まりない権力の乱用、許し難い民族差別行為であります。
 
  日本のみなさん!
 在日朝鮮人は過去の植民地統治時代に強制連行などによって日本に住むことを余儀なくされた被害者とその子孫であります。歴史的経緯からみて日本当局が過去の清算の対象として償うべき在日朝鮮人に弾圧の矛先を向けることは、在日朝鮮人の地位問題に誠実に取り組むことに合意した朝・日平壌宣言を著しく踏みにじるものです。
朝鮮総聯は結成以来一貫して、内政不干渉の原則で日本の法を遵守し在日同胞の生活と権利を守り、日本のみなさんとの友好親善のために真摯に努力し、地域社会の発展のためにも寄与してきました。
 わたしたちは数十年の長きに渡って日本の各政党と友好的な関係を保ち、朝・日間の民間交流を積極的に推し進め、地方自治体の協力も得ながら民族教育や同胞に対する福祉などに尽くしてきました。
 にもかかわらず、朝鮮総聯があたかも法を犯しているかのような世論を助長することは、在日朝鮮人の歴史的な歩みと実態を無視し歪める理不尽な行為で、きわめて遺憾なことといわざるを得ません。
 わたしたちは、隣国同士である朝・日両国の友好と東北アジアの平和を願う立場から、日本政府が朝・日平壌宣言に基づいて、朝鮮民主主義人民共和国との関係を改善し、朝鮮総聯と在日朝鮮人に対する規制と弾圧を直ちに中止すべきであることを、広範な日本のみなさんに強く訴えます。

「三・一人民蜂起八八周年記念、在日本朝鮮人中央集会」実行委員会
二〇〇七年三月
 
 
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