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在日朝鮮留学生同盟中央本部
在日同胞
 
朝鮮総聯中央常任委員会南昇祐副議長の談話

  関係各位

  いつもお世話になっております。
  報道等ですでにご承知のとおり、1127日の朝、警視庁公安部は、朝鮮総聯の東京都本部、新潟祖国訪問事務所、渋世(渋谷、世田谷)支部、また同胞女性宅等に対し、数百人の機動警察と公安警察を動員して極めて不当な強制捜索を実施しました。
  これは、東京居住の在日朝鮮人女性の「薬事法違反容疑」と関連付けて、共和国と総聯のイメージダウンを狙った極めて悪質な前代未聞の政治弾圧といわざるを得ません。
  一部の報道とは違い、この同胞女性は、今年5月「マンギョンボン92号」で共和国を訪問する際、自分の病気治療の補助薬として点滴薬60パック(2 ヶ月分)を持参しようとしたところ、税関当局に阻止され、一部を持っていったというのが事実であり、その点滴薬も医師がカルテに基づいて処方したもので、薬事法になんら違反したものではありません。
  まして、朝鮮総聯は、この警察当局のいう「薬事法違反」とは、なんら関わりがないということは紛れもない事実です。にもかかわらず、半年も過ぎた今頃になって突然、事実無根の「薬事法違反」を口実に朝鮮総聯の各機関に対し、物々しい家宅捜索を強行したことは、決して許すことのできない暴挙です。
  このように日本当局の極めて悪質な法の乱用と、多くのマスコミが警察発表をそのまま垂れ流すという状況は、いま日本の民主主義が戦後最大の危機に直面していることを如実に物語っています。
  日頃からお世話になっている皆さんにおかれましては、不当な家宅捜索を強行した警視庁とそれを後押しした日本政府、そして警察当局と政府に追従する報道を辞さないマスコミに対し、批判の声をあげてくださるようご協力をお願い申し上げます。
  別紙、南昇祐副議長の談話をお送りします。ご参照ください。

  朝鮮総聯中央本部 国際局

朝鮮総聯中央常任委員会南昇祐副議長の談話

  警視庁公安部は27日午前、「薬事法違反」を口実に数百人の機動隊と警察官を動員し、朝鮮総聯東京都本部と朝鮮総聯渋谷・世田谷支部、朝鮮総聯新潟出張所および都内在住の在日朝鮮人女性宅などに対する強制捜索を大々的に強行した。
 今回の強制捜索の口実となった点滴薬は、在日同胞女性(75歳)が去る5月に祖国を訪問する際、自分の病気治療と健康管理のために持参しようとしたものにすぎず、決して「薬事法違反」には当たらない。
にもかかわらず、日本の警察当局がこのように大々的な強制捜索を行ったことは、前例のない極めて悪質で許しがたい暴挙である。
 いち在日同胞女性の「万景峰−92」号による祖国訪問に関連付け大きな政治的事件にデッチ上げようとする警察当局の行為にこみあげる怒りを禁じえない。
 この在日朝鮮女性を強制捜索の対象とすること自体、非道極まりない行為であり、警察当局のいう「薬事法違反」とはまったく関係のない朝鮮総聯を犯罪視し、無関係の機関と事務所まで強制捜索したことは、法と権力の乱用であり、言語道断である。
 また、「科協が医薬品持ち出しに関与した疑い」を云々し、ひいては「軍用物資調達」「大量輸出」などとまったく根拠のない虚偽情報を流布しながら、あたかも朝鮮総聯が「犯罪団体」であるかのような歪んだイメージを作り上げようとすることを決して容認することはできない。
 われわれは今回の警察当局の常軌を逸したファッショ的な強制捜索を断固糾弾する。
 最近日本政府当局は、度重なる制裁措置を講じ在日朝鮮人の人権と生活を脅かす不当な政治的抑圧を強めてきた。
 とりわけ「万景峰―92」号の入港禁止により、多くの在日同胞と学生たちの祖国訪問には人為的な障害が作り出され大きな被害を被っている。
 今回の強制捜索が、祖国と在日同胞を結ぶ人道の船として14年間にわたり運航されてきた「万景峰―92」号の入港禁止に対する内外の非難の声が高まるなかで、入港禁止を引き続き正当化・長期化させようとする卑劣な意図のもとに行われたことは、まぎれもない事実といわざるを得ない。
 老年の在日同胞女性が祖国訪問に際し、自分の病気治療と健康管理のために薬品を持参しようとすることまでも犯罪視し、取り締まろうとする日本当局の非道かつ卑劣で反人間的行為を断じて許すことができない。
 6者会談の再開の兆しが見られる中で行なわれた今回の弾圧騒動は、朝鮮半島情勢の緩和の流れに真っ向から逆行するものであり、朝・日関係をさらに悪化させ大きな禍根を残すことになろう。
 われわれは朝鮮総聯と在日朝鮮人に対する不当な弾圧と人権侵害を即時中止することを強く要求する。



 
 
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