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在日朝鮮留学生同盟中央本部
在日同胞
 
在日本朝鮮人総聯合会 中央常任委員会 声明(2007.6.16)

 27日の報道によると、整理回収機構(以下RCC)は26日、東京地裁に朝鮮総聯中央本部の土地・建物(以下朝鮮総聯中央会館)に対する強制競売の申し立てをした。
同日RCCの志田康雄社長代行が、個別案件について極めて異例の会見を開き、「朝鮮総聯中央本部を競売にかける強制執行が認められるよう最善を尽くす」、「その他の回収努力も必要」と述べ、他の総聯施設の競売申し立てや預金の差し押さえまでも進める意向を示したことを、我々は怒りをもって断固糾弾する。
われわれの債務返済のための誠意ある提案を無視し続け、朝鮮総聯中央本部を具体的に名指ししてまでも競売手続きを強行したことは、債権回収が目的であるRCCの使命を逸脱し、朝鮮総聯中央会館そのものを強奪することに真の目的があったということを自ら露呈したものである。
当初から日本当局は、民族金融機関に対して前例の無い露骨な差別的措置を取り続けてきた。
朝銀信用組合は、預金保護のための保険に加入し所要の保険金を誠実に支払ってきたし、また在日同胞は日本国民と変わりなく、納税義務を果たしている。
 ゆえに朝銀信用組合が他の日本の金融機関と同様に、公的資金の投入を受けることは、当然の権利である。
にもかかわらず、日本の多くの銀行などが多額の不良債権をかかえ破綻に瀕した際には不良債権の放棄が許され、公的資金を用いて救済されたのに比べ、朝銀信用組合に対しては不良債権の放棄が許されず、破綻に追い込んだことは決して許されない民族的差別である。
 そもそもRCCは、日本の金融機関がバブル経済時代の放漫貸出の結果として発生した多額の不良債権を回収するために設立された国策会社である。
 RCCが発表した業績データによれば、不良債権買取機構は1999年から2005年6月までの間に総額4兆41億の不良債権を3533億円で買い取っており、その率は8.8%となる。
このうち朝銀の破綻が集中している1999年から2001年までは、1兆3035億円の不良債権を549億円で買い取っており、その率は4.2%であるので、朝鮮総聯中央本部に対する債権も、その程度で買い取ったと言われている。
われわれは、RCCと相当期間にわたる交渉を続けてきたが、2003年2月に返済の義務を負うべき自らの債務を確認したあと、数回の和解案を提案した。
 朝鮮総聯が今年2月に提案した最終和解案は、毎年5億円ずつ8年間と、それに加えて別途4年のあいだに30億円、合計70億円を支払い、その後、残債額についても真摯に協議するというものである。これは、債権額の11%強を支払うという今までの不良債権処理の前例からしても誠意があり、RCCの利益にも沿った十分な返済計画である。
  しかしRCCは、我々の誠意ある和解案に一切耳をかたむけず、3年間毎年5億円ずつ、4年目には残債額の年5%の利子を含めた残債全額を一括して払えという、誠意をもって努力しても支払うことのできない、理不尽な案を押し付けてきた。
 RCCはわれわれの誠意ある合理的な提案を無視し、このような強圧的な態度を取ることによって和解交渉を一方的に破綻させたのである。
 これはRCCが、当初から和解など眼中になく、債権回収よりも朝鮮総聯中央会館の強奪が唯一の目的ということを如実に示している。
RCCは自ら「人間の尊厳の確保」、「企業再生の追及」などという事業理念を掲げているが、朝鮮総聯に対してはこの理念に反し、尊厳ある総聯の活動を妨害する、決して許すことの出来ない悪意に満ちた暴挙を行なった。
 また今回のRCCによる朝鮮総聯中央会館に対する競売申し立ては、会館の登記上の所有者が合資会社「朝鮮中央会館管理会」であるにも関わらず、債務名義上の債務者(朝鮮総聯)と異なる第三者名義の不動産(管理会)について競売開始を求めるもので、民事執行法及び民事執行規則上許されない不当な措置である。
 安倍政権発足後、反共和国、反朝鮮総聯の敵視政策が強行される中、RCCの債権回収という経済的問題が政治問題に変質し、RCCが法と常識、慣例を完全に無視した強圧的な姿勢をとることになったのは、明々白々である。
朝鮮総聯について言うならば、朝・日間で国交が正常化されていない現状の下で、朝鮮民主主義人民共和国の代表部としての役割を果たしている。
 朝鮮総聯結成後、半世紀に及び、朝鮮総聯が朝・日交流の唯一の窓口として、日本の政界、財界、言論界、文化、芸術、スポーツなどの各階各層の人士たちと共和国との親善交流を促進し、旅券・ビザ発給などの領事館的業務も行なっており、在日同胞に対する民族教育を実施し、同胞の生活と権利を擁護してきたことは、広く知られている。
 にもかかわらず安倍政権は、歴史と業績に照らしてみても正当かつ合法的な朝鮮総聯の活動を意図的に歪め、首相自身がなんら根拠もなく朝鮮総聯を犯罪視する発言を繰り返しながら、大々的な反総聯キャンペーンを主導している。
安倍首相は今月12日にも、「朝鮮総聯はその構成員が拉致をはじめ犯罪に関与してきたことが明らかになっている。破壊活動防止法に基づく調査対象にもなっている」と述べた。
 これらの言動は、朝鮮総聯に「犯罪団体」というレッテルをはることにより、朝鮮総聯と在日同胞に対する敵意と民族排他意識を日本社会に浸透させ、最終的に朝鮮総聯のイメージを失墜させ、同胞の生活と安全を脅かす犯罪行為である。
我々はこのような安倍政権の悪意に満ちた政治的な企図にもとづく朝鮮総聯と在日同胞に対する不当な政治弾圧と人権蹂躙行為を断固糾弾し、即ちに中止することを強く要求する。
 安倍政権の反共和国、反朝鮮総聯策動は、朝・米関係の急進展により六者会談の代表者会議や外相会談の開催が日程に上り、北南朝鮮と米、中の4カ国による「朝鮮半島の恒久的な平和体制協議」の年内開催が確実視されている現在の国際的な流れに反する時代錯誤的愚行である。
 我々は安倍政権が在日朝鮮同胞の生活に著しい被害をもたらしている「マンギョンボン−92」号の入港禁止措置をはじめとする「制裁」措置を即時撤回し、在日朝鮮同胞の人権と生活権を保障することを求める。
 我々はRCCが差別なく公正な立場に立ち戻り、われわれの誠実な和解交渉に応じ、不当な朝鮮総聯中央本部会館に対する強制競売申し立てを即刻取り下げることを強く要求する。
 我々は東京地方裁判所が、RCCの不当な強制競売申し立てを速やかに却下することを望む。
 朝鮮総聯は、過去半世紀以上にわたり、在日朝鮮人の生活と権利を守り、日本の国民と友好親善を深めるため活動を行ってきた。
 我々は総聯結成以来、内外の反動勢力の策動により、度重なる弾圧や迫害、試練と苦境を経てきたが、同胞の団結した力と良心的な日本国民の力強い支持・声援のもと、総聯活動をたゆみなく押し進めてきた。
安倍政権とRCCがおこなっている今回の不当な措置は、「朝・日ピョンヤン宣言」の精神に相反する行為で、朝・日関係の歴史に重大な禍根を残すであろう。
 我々は、朝・日間の友好親善に力を尽くし、在日同胞の生活と権利を擁護する朝鮮総聯の活動に対する広範な日本国民のみなさんのさらなるご理解とご支援を切に望む次第である。

2007年 6月 28日

 
 
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