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在日朝鮮留学生同盟中央本部
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【北朝鮮のミサイル発射問題に寄せて】
北朝鮮への一切の制裁に反対する
−誰が東アジアの平和の脅威なのか−


2006.7.9日韓民衆連帯全国ネットワーク

(1)軍事行動にお墨付きを与える日米などの「国連制裁決議案」

7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は7発のミサイル発射実験をおこなった。ミサイルは、いずれも日本海(東海)のロシア側公海に落下した。
これに対して日本政府は、直ちに万景峰号の6ヶ月間の入港禁止、北朝鮮当局の職員の入国禁止、日本の国家公務員の渡航自粛と民間に渡航の自粛を求めることなど9項目の「制裁」措置を発動した。さらに追加措置の構えを取るとともに、国連安全保障理事会に米英などと共同して「制裁決議案」を提出した。これに対しては中ロが反対姿勢を示している。
私たちは、この「制裁決議案」に強く反対するとともに、一切の「制裁措置」に反
対する。
とりわけ、日本政府が作成したとされる国連「決議案」は、経済制裁や武力行使さえも可能とする国連憲章第7章に基づいて行動することを掲げた、とんでもない代物だ。

国連憲章第7章は、その第42条〔軍事的措置〕で、「安全保障理事会は、第41条(注・非軍事的措置)に定める措置では不十分であろうと認め、又は不十分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる」と規定している。
まして朝鮮半島では、先制攻撃戦略をとる米軍が「国連軍司令部」のシャッポを被り居座り続けており、依然として「撃ち方やめ」に過ぎない停戦状態のまま今日に至っているのである。
私たちは、このような「制裁決議案」を含む一切の制裁措置に反対する。

(2)誰が「緊張の原因」を作り出しているのか

私たちは、北朝鮮の核開発やミサイル発射実験にも強い憂慮を表明する。
だが、何よりも私たちは、朝鮮半島における南北分断と戦争の脅威の根源である米国の責任をあらためて強調し、強く非難するものである。
日本ではほとんど報道されていないが、この間にも、6月下旬からグァム近海で横須賀を母港とするキティホークをはじめ、ロナルド・レーガン、エイブラハム・リンカーンの3隻の空母機動部隊とB−2戦略爆撃機をはじめとする航空機280機などが参加した大規模軍事演習が行われ、すぐ続いて、6月末から7月末までハワイ沖で、米・日・韓・豪・加・ペルー・チリなどによる環太平洋合同軍事演習「リムパック」が大規模に行われている。「6カ国協議」の枠組みができている今なお、米韓合同軍事演習も繰り返し行われている。

在日米軍の再編、駐韓米軍の再編が、「不安定の弧」と米国が規定した広い範囲をターゲットにした機動性の確保を意図するものであると同時に、依然として対北朝鮮先制攻撃態勢の強化をも含んでいる。横須賀を母港とする米トマホーク艦が、常時ピョンヤンを射程に入れていることなども忘れてはならないだろう。これらが、北朝鮮側にとって大きな脅威として写っているとしても不思議ではない。
この間、米朝ジュネーブ包括合意を一方的に反故(ほご)にし、米朝二国間協議を拒否し続けて問題解決を先送りし、朝鮮半島の核問題の解決をめざす「6カ国協議」で時間稼ぎをして、北朝鮮体制の自動崩壊を目論んできたのが米・ブッシュ政権である。

昨年9月の「6カ国共同声明」は、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すことを確認し、同時に、米朝が「相互の主権を尊重し、平和裏に共存すること、二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る」ことや「直接の当事者は、適当な話し合いの場で、朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」等でも合意した。そして、これらを「対話対対話、公約対公約」の原則のもと双方が段階的に進めることを確認した。
しかし、この米朝ジュネーブ包括合意の6カ国版ともいうべき内容に内心不満な米・ブッシュ政権が、これを事実上反故にしようとして持ち出してきたのが「偽ドル疑惑」を口実とした金融制裁であった。こうしておきながら米当局は、「これは6カ国協議とは別問題であり、北朝鮮は無条件で6カ国協議に復帰すべき」などと主張している。だが、これ自体が「6カ国共同声明」に反する行為である。
問題は、「6カ国共同声明」を履行するか否かである。これなしには、6カ国協議も名無実の場となる。そして、その履行の鍵は、まさに対立する当事者である米朝の交渉にある。
現在、米国内ですらブッシュ政権の「米朝直接交渉拒否」という名の無策が、事態をより深刻化させているとしてこれに対する批判が強まっている。
私たちは、何よりも米国が「6カ国共同声明」を履行し、速やかに米朝交渉を行うよう強く要求する。

(3)北朝鮮の「脅威」煽る政府・マスコミ−和解と平和の道をとれ

私たちは、今回日本政府が先頭に立って北朝鮮「脅威」論を煽り、ネオコンの一人である米国連大使・ボルトンらと手を組み、軍事行動まで選択肢とする「国連制裁決議案」を提出したことを強く非難し、その撤回を要求する。
日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化を推し進め、いまや公然と現職閣僚が「ミサイル発射基地を事前に叩くことも自衛の範囲内」と言い放つまでに至っている。
米軍と一体となり戦争国家の道をひた走り、憲法9条改悪にまで至るプロセスを加速しているこうした日本の姿が、ひとり北朝鮮だけではなくアジアの人々に大きな憂慮を与えている。
私たちは日米軍事同盟の再編強化、日米軍事一体化と、そのための新たな治安維持法である共謀罪をはじめとする国内の戦争体制作りのための一切の法律・法案、憲法9条改悪の動きに引き続き強く反対する。

私たちは、日本のマスメディアの多くが、日本と朝鮮半島の歴史や朝鮮半島問題の本質は一切抜きにして、北朝鮮に対する一方的なバッシングを繰り返していることを厳しく批判する。
拉致問題を通じてあたかも日本人が一方的な「被害者」であるようにすり替え、ブッシュと同様「ならず者国家」としてのイメージを振りまくことで、「北朝鮮なら叩いて当然」といった雰囲気すら醸成してきた。7月5日、新潟西港に入港した万景峰号から下船した修学旅行生に心無い罵声が浴びせられ、東京・北区の朝鮮高校の塀に誹謗中傷のビラが貼られたとの情報も私たちのもとに寄せられている。

未だ日本が過去の加害の責任すら何らの清算もせず、国交正常化すらしてこなかったことこそが異常なことなのである。拉致問題もまた、日本の侵略・植民地支配と戦後の南北分断という朝鮮半島の不幸な歴史を背景として生み出された。朝鮮半島においては、戦前の日帝時代はもとより、戦後も「守る」べき平和な状態などなかったといっても過言ではない。日本は戦後、朝鮮半島の分断に加担することで、過去の清算を行ってこなかった。

いま何よりも、100年に及ぶ日本と朝鮮半島の不幸な歴史を直視し、その清算を速やかに行うことが必要である。拉致問題の解決も、その100年の歴史の清算の一環として速やかになされるべきだ。こうした立場からの日朝の対話・交渉がなされなければならない。マスメディアもこうした真の和解と平和に資することが求められているのではないだろうか。
私たちは、引き続き朝鮮半島の和解と平和、統一に寄与し、平和を求める韓国民衆、東アジアと世界の民衆と連帯して闘うものである。

 
 
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