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在日朝鮮留学生同盟中央本部
 
  
 
  《留学同通信》No2  
   
  目の前にある分断  
     
  私たちの祖国が分断され、既に70年近い月日が流れようとしている。
大国の思惑により固定化された分断は、我が民族が解放後味わってきた全ての苦痛の元凶である。3年間に及ぶ戦争は数百万人の死者を生み出しただけでなく、数多くの家族が戦争の混乱の中離散家族となり、互いの消息も分からないままこの世を去った人も多い。南の地では反共を理念とする軍事独裁政権が誕生し民主化闘争が激しく繰り広げられる中、それを弾圧する警察の銃弾に倒れる者、無実の罪で投獄され死刑となる者も数多くいた。また停戦協定に違反し南の地に居座り続ける米軍の軍事的圧力に対抗するため、北では莫大な防衛費を捻出せざるをえず長期間に渡るそれは国の経済発展に大きな影響を与えたことであろう。
分断は民族全体にとって「マイナス」でしかなく、つまり朝鮮民族は日帝植民地時代から引き続き「マイナス」なのだ。よって我が民族は統一を成し遂げることによってのみ初めて「ゼロ」となり、民族再生の為の本当のスタート地点に立てるのである。 分断の影響は祖国に住む人々のみならず、私たち在日朝鮮人にも多大な影響を与えた。国籍や所属組織等、分断は同胞社会のみならず家族の中にすら生まれ、一つに団結できない力は嫌がおうにも半減し在日朝鮮人の地位の向上や権利獲得においても少なくない影響をもたらしたことであろう。
朝鮮総聯に属する多くの在日同胞は南朝鮮政府より「アカ」とされ、南朝鮮に残るその家族までもが弾圧された。そして幼い頃に過ごした故郷の地を再び踏むことすら出来ず、故郷の地に残してきた家族にも二度と会えぬままこの世を去った同胞も多い。総聯組織から脱退さえすれば、思想を転向さえすれば、故郷に再び行けたかもしれない。しかし彼/彼女らはそれを頑なに拒んだのである。何故か。人それぞれの理由を集めることも可能であろう。しかし私たちはそこに民族自主への渇望と、分断に加担する事への頑なな拒否という一貫した意地を見出すことが出来るのではなかろうか。国籍を、所属組織を、思想を変えてしか行くことのできない故郷、それはすなわち旧宗主国と大国の思惑で翻弄されてきた民族史を物語っており、更なる分断を生み出す結果に作用するのではないか。そこから脱却し真の民族解放を目指すことこそ我が民族の闘争史なのではないか。そんな信念と意地を私たちは見ることができるのである。 2000年6月15日、当時の金正日総書記と金大中大統領による分断史上初の歴史的な出逢いと共同宣言発表に全同胞が涙し、全世界がこれを歓迎した。これにより北と南に別れてしまった離散家族が再会し、オリンピックでの南北共同入場行進が実現し、数々の統一行事が盛大に開かれ、各種事業や観光等南北双方へのそれぞれの訪問者が激増した。
在日同胞社会にも変化が訪れた。朝鮮学校の生徒や金剛山歌劇団によるソウル公演が実現し南の民衆の中に総聯の民族教育の素晴らしさを伝えた。在日1,2世らによる≪総聯同胞故郷訪問団≫も実施された。総聯の老幹部として半世紀ぶりに故郷の地を踏み、日本に来て以来初めて故郷に残したオモニとの再会を果たした人もいた。
これこそが統一である。大国の思惑により別れた民族が、民族自主の精神に従い、半世紀の間に生まれてしまった互いの差異をそれぞれ尊重しながら埋めていく。この過程こそが統一である。 しかしそれでも、分断を食い物にして自身の利益を得ようとする分断勢力を一掃することは出来なかった。南の地で6.15共同宣言を否定する李明博政権誕生後、南北の関係は悪化の一途を辿った。そして私たちが何より許せないのは、その従米保守的性格により北南政府間の軋轢を生み出したことはもとより、在日同胞を再び分断へと利用、加担させようとしていることである。
南の領事館は、「韓国籍」同胞に対し朝鮮総聯やその傘下団体からの脱退の強要や、子の朝鮮学校入学や共和国訪問を阻止するための不当な介入、更にはスパイ行為の要請まで恥ずかしげもなく行っている。これらを旅券発行の条件とした例も多い。つまり旅券という当然の権利をエサに、言わば思想転向を強要しているのである。これほど醜悪で卑怯な行為が他にあろうか。
また日本政府も総聯や朝鮮学校に対する露骨な弾圧や差別を始め、「みなし再入国許可制度」のように制度的にも在日同胞の中で差を設け、私たちを分断へと導いている。
これらは全て一つにつながっており、それら全てが分断によって利益を得る者らによる分断政策から来るものであることをしっかり認識する必要があるであろう。 私たちにとっての統一は、このような分断工作に断固として反対し、二度と分断に利用されず、加担しないという確固たる姿勢から始まるのではないだろうか。
大切なことは、私たち自身が自らの中にある分断思考を打破し、今目の前にある分断をしっかり見極め、分断に決して慣れることなく、分断を助長する全ての行為に反対し決して加担しないという確固たる意志を持つことでなかろうか。 分断は私たちの目の前にある。それを超える過程こそが統一である。
統一を、生きよう。

 

 
     
     
     
 
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