中学まではバスケをしていた私は高校入学後、部活見学でテコンドーに興味を持ち、テコンドー部に入部しました。

そんな私に転機は突然訪れました。高校一年の12月に初めて出場した荒川区の大会で優勝することができたのです。

努力をしたことがそのまま技としてできるようになり、結果として大会で成績も残せるこの競技に惹かれていきました。

高校を卒業し、大学入学後もテコンドーを続けアジア大会、世界大会に在日朝鮮人代表「高麗」の一員として選ばれ、タジキスタンでのアジア大会では銅メダルを獲得し、ブルガリアで行われた世界大会ではベスト８の成績を収めました。

なにより感慨深かったのは｢在日｣の代表である私たちの国旗は｢統一旗｣で、自分がアジアで銅メダルを獲得したときも表彰式で｢統一旗｣が掲げられたことです。

ちなみ｢高麗｣の代表で優勝した選手の表彰式では国歌として「ウリウィソウォン(私たちの願い)」が流されます。

大学に入り、朝鮮人との付き合いが薄れてきてから私にとって留学同は重要な出会いの場でした。

マダンをはじめ多くの｢場｣を創る立場になるとまた楽しみは増えました。

そんな中で大学2年の時にマダンの文化公演で埼玉がテコンドーの演舞をすることになり、埼玉での練習、マダン本番での披露は忘れられない思い出で、全国のトンムたちから反響が大きく、朝鮮の国技でもあるテコンドーを多くの同胞学生に見せられたのが嬉しかったです。

大学4年になり、保育士を目指し、就職活動真っ只中で、現在はテコンドーを休むことになりました。

6年間でかなり｢燃え尽きた｣という所が正直な所でもあります。でもそのうちまたやりたくなるのかもしれません。そしたらその時には統一した祖国の旗を掲げ、テコンドーをしてみたい。

(留学同埼玉R.S)