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在日朝鮮留学生同盟中央本部
 
  
 
  ≪留学同通信≫No6  
   
  私の主張
 
     
 

アンニョンハシムニカ。

最近、フランツ・カフカの「城」という本を読んだのですが、みなさんはご存知でしょうか?

簡単にあらすじを紹介したいと思うのですが、まず「K」という主人公がいます。

Kはある「城」から仕事の要請をうけてその城のある集落へと向かうことになります。

しかし、いざその集落へ着いてみると、彼は「よそ者」であるという理由でいわれない差別をうけることになります。

城からうけた要請も、手違いがあったそうで本来就く筈であった仕事もできず、Kは結局、なんのためにはるばるそこに来たのかわからなくなります。

そんなKに対して城は温情を示し、最低限の衣食住がまかなえるくらいの別の仕事を提供します。

しかし、よそ者であるKには常に城からの監視がつき、あらゆる自由を制限された上で生活を送ることになりました。

腹のたったKは、城に対して自身の「権利」を主張し、戦っていくことになります。

しかしよそ者であるKの言葉にたいして真摯に耳を傾ける者は少なく、周りの反応は「こいつはなにをいってるんだ、よそ者のくせに。」「仕事がもらえているだけでも感謝すべきだろ。」といった風です。

孤立無援、理解者がほとんどいない状況でもKはこういった声にたいして、「私が求めるのは自身の正当な権利だ」と主張をつづけ、屈しません。

私はこのKの姿勢をみて、少し励まされた思いになりました。

このお話は、在日朝鮮人の現状にも通ずるところがあると思ったからです。

パッと見た感じでは、殆どの朝鮮人がこの日本社会で、少なくとも飢えることはなくそれなりに暮らせているようにも見えます。(そうではない人ももちろんいると思いますが)

しかし実際は、在日朝鮮人とはKのように、依然と監視・管理の対象であり、本来あるべきあらゆる権利を持ち得ていないし、朝鮮人として生きる自由を社会によって阻害されつづけています。

「少なくとも生活はできているんだし、文句は言ったらダメだろう」

小説のなかの集落の住人たちが言っているのようなこのセリフは、日本社会において、日本人に限らず、在日朝鮮人のなかからも上がっている始末です。

数の論理によって、多数派に潰されるような形で原則的な主張をすることが非常に困難な状況になっていますが、それでもKのように、たとえ孤立をすることになろうとも、「自身の正当な権利」を求めるため主張をし続けることこそ、変わらず重要なことであり、私自身が今後もおこなっていくべき「主張」なのだと思いました。

(留学同京都 S.S)
 
     
     
     
 
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