朝鮮の伝統楽器であるカヤグムを弾きながら、ウリノレを歌う部活。カヤグム部講師としての声がかかったのは、大学３年生の春でした。やるかやらないか、一瞬 の迷いもありませんでした。小学６年生から主将を任された高校３年生まで、ほぼカヤグム部一色の学生生活を送ってきた私にとって、これ以上ないくらい嬉し いお誘いでした。
　今年で３年目になりますが、毎回、新鮮に感じます。いくたびに新しい発見があり、気付きがあり、学びがあります。生徒の歌声には、民族文化を表現することへ の素直な喜びが満ちています。自らのルーツを堂々と表現する生徒を見るたびに、私たちは本来このようにあるべきなのだと強く感じます。「なぜ朝鮮人として 生きるのか」ということを葛藤や困難の中で見出し、強い信念と不屈の精神で貫かなければならない社会ではなく、色々な理屈を並べずとも、自国の文化を愛 し、素直に表現していける社会。そのような社会を、今目の前にいる小さな同胞たちのために、実現したい。私はカヤグムと歌、そして生徒たちとの関わりのな かで、ウリハッキョ、ウリ同胞、ウリ民族、祖国とより強く繋がっていけるような気がします。大好きなものを通して同胞社会の役に立てることにとても感謝し ています。これからも、今ここ、この場所から、私が出来る在日朝鮮人運動を展開して行きたいです。

(留学同九州R.C)