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在日朝鮮留学生同盟中央本部
 
  
 
  ≪留学同通信≫No10  
   
  統一について考える〜朝鮮戦争とは何だったのか〜
 
     
 

 「抗日」か「親日」か、「自主」か「事大」か、「統一」か「分断」か。
 朝鮮戦争とは何か? 日本の敗戦、朝鮮半島の解放から70年経った今も、私たち在日朝鮮人にとって、また南北・海外に住む全ての朝鮮民族にとって、自分たちの生き方・尊厳につながる、非常に重く、大切な問いであり、決して過去の問題ではない。

 朝鮮戦争は、日本による植民地支配からの解放後、それまでの支配構造からの解放と独立国家を求めて、南北朝鮮の統一を志向した内戦であり、革命の性格を持つ。そのうえにアメリカの世界支配戦略(侵略)、東西冷戦構造の中での国際紛争に発展し、さらに甚大な被害(死者数百万人、離散家族1千万人以上)を及ぼし、現在まで休戦状態(=戦争状態)が続くという異常な事態をもたらしている。
 その点において、現在においても、特に朝鮮民主主義人民共和国とアメリカとの関係が大きな問題となり、米軍との間での朝鮮戦争の終結という課題は、朝鮮半島の安定と平和にとって何よりも大切な要素となっている。現実として、朝鮮(共和国)にとって、南朝鮮や日本との関係よりもアメリカ合衆国との関係が先決事項であることも明白であり、実際訪れても強く感じることができる。

 しかし、ここではあえて、朝鮮戦争と日本との関係に焦点を当てて考えてみたい。

 日本による植民地支配からの解放を迎え、自主的な独立統一国家建設を志向した朝鮮は、アメリカという新たな侵略者と対峙することになる。アメリカは、朝鮮の独立国家建設の中枢から排除されるべき「親日派」勢力(日本による支配に協力した勢力)を登用し、南朝鮮地域の支配を強めた。
 そうした中、外勢に干渉されない自主独立国家を志向し、アメリカ・親日派勢力と対峙する闘争が繰り広げられる。アメリカと親日派による南北分断政策に反対し立ち上がった「済州島4・3蜂起」とはじめとし、南朝鮮地域において独立・統一国家の樹立を目指す闘いは、「革命」という性格を帯び、「小さな戦争」といえる状態であった。
 そして、その「小さな戦争」が、朝鮮半島全土に拡がったのが、朝鮮戦争であった。

 日本との関係に焦点を当てる際、重要な点は「親日派」の存在である。朝鮮戦争・南北対立の源流には、「親日派」と抗日運動(朝鮮民衆)との闘いがある。日本の支配に協力し、自主的独立よりも妥協的保身を選択した親日派と、圧政に苦しむ民衆との対立。抗日武装闘争と、それを鎮圧する日本軍の手先となった朝鮮人部隊との対立。そうした分断・対立は、甲午農民戦争や義兵闘争など、近代日本による朝鮮侵略の初期からずっと存在した。  親日派は植民地支配期だけでなく、解放後は新たな飼い主となるアメリカに寄り添い、「大韓民国」の権力の中枢に居座り続け、その影響は現在にも及ぶ。
 つまり、日本の植民地支配により強要された分断が、朝鮮戦争・現在にも続く朝鮮の南北分断の根源となっているのである。

植民地支配とは、その軍事的支配・弾圧の規模、また植民地解放のための武装闘争の存在からも、実質的に準戦争状態(もしくは戦争状態)であると言われる。さらに、日清戦争・日露戦争の主戦場が朝鮮半島であったこと、日清戦争期には甲午農民戦争があり、日露戦争期にも義兵闘争(義兵戦争とも言われる)などの武力対立があったことからも、1800年代後半から1945年までの期間は朝鮮と日本が戦争状態にあったといわれる。つまり侵略・植民地支配から、解放後の「小さな戦争」・朝鮮戦争、現在にいたるまで、日本と朝鮮半島は戦争状態にあると言え、歴史研究者の愼蒼宇氏の言うように、「140年戦争」と表することのできるのが、近現代の朝日関係である(愼蒼宇「140年戦争の視座」 『「韓国併合」100年を問う』2011年 岩波書店)。
 また敗戦後の日本にとって、経済面・政治面・軍事面において、朝鮮戦争は国家の方向性を決めるうえでの大きな契機をなった。朝鮮戦争による戦争景気を利用し、経済的に復活を果たし、同時に再軍備の道を歩むことになる。さらには、アメリカを中心とした国連軍に対する戦争協力において、日本は実質的には朝鮮戦争への参戦国であるといえる。日本国憲法に明記された平和主義は、施行から2年後にはいとも簡単に破られていたのである。そして、現在に至るまで、朝鮮の分断を促進し、「朝鮮=悪」のレッテルを作りあげ利用したうえで、アメリカとともに新たな侵略戦争の道を真っすぐに進む。

 さらに、「小さな戦争」〜朝鮮戦争に至る中で、在日朝鮮人に対する弾圧が強められた。朝鮮人学校の強制閉鎖、朝連の強制解散という大弾圧は、南北の分断・朝鮮戦争とリンクしており、GHQとともに日本の国家権力も積極的に推し進めたのである。そうした構図は現在も存在し、南北の軍事的緊張によって高校無償化制度からの排除がなされるなど、外交的政治理由による朝鮮学校に対する弾圧は平然と行われており、植民地支配清算に逆行し在日朝鮮人の権利を侵害する朝鮮に対する経済制裁は何の疑問も出ずに既成事実化している。植民地支配期の民族・歴史抹殺政策、解放後の南北分断促進政策は、現在の日本の権力による在日朝鮮人弾圧にそのまま現れる。

 だからこそ、私たち在日朝鮮人社会の中にも、また一人一人の中にも、「親日派」問題はあり、分断の影響は強く存在する。また、植民地支配責任を果たさず、歴史を抹消しようとし、朝鮮人弾圧を強める日本に住む在日朝鮮人にとって、日常の中でいつも「親日化=支配への共犯化」の危険性は存在する。思考停止の先にあるのは、「事大主義親日派加害奴隷朝鮮人」への成り下がりである。
 「支配・加害に加担していないか。」、「自主・独立・解放・統一を目指す朝鮮人としていられているか?」
 朝鮮戦争の歴史と現状は、歴史的事実としての重要さだけでなく、私たち一人一人の思想・行動・生き方を問うものである。

(編集部)

 
     
     
     
 
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