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在日朝鮮留学生同盟中央本部
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開かれたウリ党・金元雄議員の書簡

横田滋 先生

お元気ですか?
 貴下のご息女とご家族に降りかかった不幸に対し、深い哀痛の意を表します。
 日本人拉致被害者めぐみさんのお父上である貴下が、ご息女の夫とされるあるひとりの韓国人にお会いするために、わが国にいらっしゃったという知らせをマスコミを通じて聞きました。ご息女の不運な人生についてお父上としての計り知れないお気持ちが、私の心を切り裂きます。

 めぐみさんは、北韓(北朝鮮)当局によって拉致されたと知られています。彼女は、戦後冷戦体制の犠牲者です。20世紀の冷戦対立の過程で、南と北はお互いに数千人もの工作員を南に送り、また北に送り、数多くの拉致を行いました。拉致被害者は結局冷戦体制の犠牲たちなのです。そのうちの1人が、貴下のご息女、めぐみさんだということです。めぐみさんの怨魂を慰めることは、この冷戦体制の解体から始めなければなりません。ところがこの道徳なき冷戦体制の終焉をむかえる今日においても、自己の利益だけを追求し、めぐみさんの人権を論じるのは良心に背く行為です。

 今なお維持されている南北分断の現実は、今日に至っても東北アジア地域に冷戦が存在していることを物語っています。しかし国際社会において朝鮮半島の分断の克服と平和体制の構築に非協力的な国家として映っているのが、貴下とめぐみさんの祖国、日本だと言うことはまことに切ないことといわざるをえません。

人権問題は人類文明が追及しなければならない普遍的な価値です。しかし日本社会はある片方だけ人権意識を持っているような印象を与えています。自国の問題は棚に上げておいて、他国の人権問題にだけ尽力してみようとする偏狭は雰囲気が、日本社会を支配しているという指摘に対し耳を傾けないというのではいけないと思います。
 20世紀、日帝(日本帝国主義)によって強制動員された数百万の朝鮮人のうち、相当数が今なお帰って来られないままです。 彼らはどこに連れて行かれ、どんな仕事を強制され、その後どうなったのか、いまだに生死すら確認されていません。 韓国には現在も、数十万の“めぐみ”がいます。 甚だしくは朝鮮人“めぐみ”の中には、靖国神社に奉安され死んだ魂までもが未だに日帝の強制連行から解き放たれずにいるんです。

 貴下は、韓国国民が拉北被害者について感心を持ってほしいと訴えました。貴下の訴えは当然です。韓国国民がより多くの関心を持たなければならないということについて反対はしないでしょう。しかしながら貴下のご息女にご両親がいらっしゃるように、朝鮮人“めぐみ”たちにも愛する家族がいるのです。貴下が、韓国国民がめぐみさんのことに関心を持つことを望むように、日帝により強制連行された数十万の朝鮮人“めぐみ”の家族たちも、日本国民が彼らに感心を持つことを望んでいることでしょう。

 滋先生におかれましては、ご自身のご家族が大切なくらい、隣の家族も大切だということをよくご存知だと信じております。 人間尊重と愛を言葉で表すのは簡単です。ですが、心から湧き出る真心を見せるのは簡単なことではありません。

滋先生!
 先生にお願いします。もし時間ができましたら今回の訪韓中に、日帝時代に強制動員された朝鮮人徴用者、軍慰安婦、またその家族たちとも一度お会いになればどうでしょうか?彼らに会い抱きしめ合い、お互い慟哭することこそが、貴下が愛するめぐみさんの怨魂を心から慰めることになるのではないでしょうか?貴下が彼らとお会いになることができるように、私は間を取り持つことをこころよく引き受ける用意があります。

私の書信が滋先生に伝達されるよう駐韓日本大使様にお願い申し上げます。
また滋先生の今回の訪韓日程が、意義あるものになることをお祈り申し上げます。

2006年5月16日
大韓民国国会倫理特別委員長
金元雄 拝
 
 
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